蒟蒻とは

こんにゃくの起源

こんにゃくの起源は、サトイモ科の植物である「こんにゃく芋」(別名:こんにゃく玉)から作られる加工食品です。
こんにゃく芋はもともとインドシナ半島が原産地です。現地では芋の形状から「象の足」という異名がついています。
東南アジアには今でも約130種類のこんにゃく芋が自生しており、これらは日本のこんにゃく芋とは異なる品種です。
これらの芋はこんにゃくマンナンと呼ばれる食物繊維を含まないため、加工しても固まらず、こんにゃく製造には適していません。
こんにゃくは主に日本と中国の一部で栽培され、食用として定着しています。
こんにゃくが中国から仏教とともに伝わったのは約6世紀頃とされていますが、具体的な経緯については不明確です。

こんにゃく芋の種類・栽培方法

日本では、昔から「在未種」と「備中種」というこんにゃく芋の種類が栽培されていました。
しかし、これらは似た性質を持っていたため、品種改良が難しかったです。
そこで、大正時代に中国から「支那種」という新しい種類を輸入し、これを掛け合わせて品種改良が成功しました。
これにより、「はるなくろ」(昭和41年)や「あかぎおおだま」(昭和45年)などの改良種が生まれ、現在ではこれらが生産の90%以上を占めています。
さらに、平成9年には「みょうぎゆたか」という、より栽培しやすく生産性の高い品種も登場しました。
驚くべきことに、こんにゃく芋の安定した栽培法が確立されたのは昭和30年頃です。
こんにゃく芋は非常にデリケートな植物で、葉に傷がつくだけで病気になりやすいため、強い日光や風、水はけの悪い場所では育ちません。
長い間は経験と運に頼るしかなく、「運玉」とも呼ばれました。
また、こんにゃく芋は年平均13度ほどの気温が必要なため、寒冷地では育つことができますが、大きく育つのは難しく、栽培の北限は宮城や山形などとなります。
昔は一般の農家が家庭用に栽培していましたが、生産が重視されるようになってからは北関東地方で多く作られるようになりました。
そして、収穫後の温度管理が必要なほどデリケートなため、畑で半日干してから風通しの良い日陰でしっかり乾燥させ、冬の間は新聞紙で包んで風通しの良い場所で保存されます。